福祉・医療
戦前日本社会事業調査資料集成 補巻(災害救助)
発行年月:2017年10月
3・11東日本大震災以後とくに重要性が増した課題「災害救助」をテーマに、戦前期の特筆すべき記録を集成。一般災害(関東大震災)、産業・戦争災害他の重要記録・資料を収める。
本書と「別巻(調査資料文献/概要)」で、シリーズ『戦前日本社会事業調査資料集成』が全巻完結、1~10巻(勁草書房 1986-95)所蔵先には必備。
社会事業、福祉・慈善事業から経済・社会・思想・民衆・生活・医療・教育・地方・労働・貧困・災害等々、近代日本の「実態」を伝える〈調査〉史料を網羅的に解説、集成するシリーズ。
シリーズ福祉に生きる70 白沢久一
発行年月:2017年7月
“一人ひとりの生活困窮者の生活問題を、一つ一つ解決してゆくことで、ケースワーカーは貧困の深刻化を防ぐことが出来る。そうした体験をとおして、民主主義を構築していくことが大切である。”
東京都職員、福祉事務所ケースワーカーとして生活保護行政に従事、のちに北星学園大学教授となり社会保障論・公的扶助論を講じ、英国留学経験から救貧思想を研究、また、婦人とともに東白石雪ん子保育園(札幌市)を開設。実務経験に裏付けられた「生きぬく力」の形成を訴え、貧困研究に生涯をかけた研究者の生涯(1935~2002)を同感をもって語る。
あなたに平安がありますように 七人の息子を育て 福祉現場に生きて
発行年月:2017年6月
「私の原点はどこにあるのか。なぜ、福祉の世界に身を投じたのか。平和と人権を守るため、これから何をしなければならないのか。共に考えていかなければならないとの思いを込めて書き上げました。なにかご参考になることが見付かれば嬉しいです。」
シリーズ福祉に生きる69 長谷川りつ子/長谷川よし子
発行年月:2017年5月
宗教・教育・社会事業に生涯を賭して多くの苦難を乗り越え尽力した長谷川良信(1890~1966)、その初期活動を懸命に支え燃え尽きるように37歳で逝去した 長谷川りつ子(1899~1935)。
りつ子を姉とも慕い志を継承し、良信の多彩な活動を支えながら良信没後には全事業を継承発展させた 長谷川よし子(1907~1996)。
長谷川良信の建学になるマハヤナ学園と大乗淑徳学園――りつ子・よし子は良信と共に「マハヤナ学園」を本拠として“マハヤナ”(サンスクリット語・大きな乗物=大乗に由来)の名のとおり、貧困生活者の生活を包括的・具体的に支援し、まさにさまざまな人を救うことに専心した。いま、生きつづける二人の志をかみしめる。
高等学校における「親性〔おやせい〕準備教育」の在り方
発行年月:2017年2月
高校生の時点で「親になること」を考え、学ぶことは、高校生の時点の教育でなされる必要があり、親への移行をスムーズにし、生涯発達やキャリア形成にも有益である。準備教育を実施していくための問題点、今後の可能性、課題を明らかにする。
作業療法士養成への遥かな道のり
発行年月: 2014年11月(大空社刊)
今、本来の作業療法が目指していた、自立(自律)した生活者へ向けた支援の視点に立ち返って―。
この人にしか語り得ない実践の経験と「今」、福祉・医療・介護関係者が謹聴すべき将来への警鐘。
日比野正己「刊行にあたって」より
(本書の特徴の一つは)長尾さんが日本における「作業療法士」の成立と変容の「生き証人」(学生として教師として実践者として)であることだ。 貴重な写真など歴史的資料や歴史的人物らの証言(インタビュー)などを活用した学術書であり興味深い「読み物」にもなっている。(長崎純心大学大学院教授〈刊行当時〉)
介護職養成教育における専門性の形成
発行年月: 2014年5月(大空社刊)
「介護職」は医療福祉の一分野を担う重要な職種となった。介護福祉士の職能に多様さと高度化が必要となり、「専門職」としての技術と理論を教育する場が益々求められている。「介護」は初め看護・保育と同様、家庭の中で自然に行われてきた行為であった。日本での「介護職」は1950年代後半頃に芽生え、その後、政策や社会環境・意識の変遷にともない、定義・身分保障・業務内容などが変化しつづけている。介護が職業となった時期、専門資格のない時代から専門性が確立する現在まで、どのような介護が実際に行われ、また介護職を養成する教育機関が人材育成にいかに腐心し、実のあるカリキュラムを開発してきたか―。
介護福祉草創期から介護関連職の養成に携わってきた著者が、大学・短大・専門学校や各種講習会の介護職養成課程カリキュラムを幅広く収集し時系列・数量的分析で専門職の形成過程を明らかにする。介護・福祉の「歴史」研究に一里塚を画す!
キーワード:介護福祉学、介護福祉教育史、介護教育、介護職養成、介護福祉士、ホームヘルプサービス、家庭奉仕員、認知症介護、老人福祉、障害者、医療福祉、リハビリテーション、地域老年看護学、保健、看護、家政、生活科学、厚生・労働行政、社会福祉行政…
川田貞治郎の「教育的治療学」の体系化とその教育的・保護的性格に関する研究
発行年月:2013年11月(大空社刊)
「教育的治療学」その体系化過程と理論・方法・実践の全貌を初めて提示
川田貞次郎(かわだ・ていじろう、1879-1959)は
第二次世界大戦以前に民間が創設した精神薄弱児入所施設の 一つで、大正8(1919)年6月7日、東京府大島に設立された財団法人藤倉学園(現在の社会福祉法人藤倉学園)において、設立時から彼が死去するまで常任理事・学園長として施設運営にあたった人物である。とりわけ学園長としての彼の業績は、藤倉学園での教育と保護の理論ならびに方法を教育的治療学と命名し、形成ならびに体系化したことであった。(…)
本書では、戦前の精神薄弱児に対する教育と社会事業の制度が未整備な中にあった精神薄弱児施設での教育と保護の実践およびその実態を探るべく、川田がいかなる理由から「教育的治療学」を構想、体系化し、それはどのような内容と方法で構成されていたのか、また彼の教育的治療学が、当時の精神薄弱児施設での教育と保護の理論ならびに方法としていかなる意義があったのかについて明らかにすることを目的とする。(序章 本書の目的より)
里子・里親という家族
発行年月:2012年12月(大空社刊)
ファミリーホーム=「小規模住居型児童養育事業」(第2種社会福祉事業。児童福祉法第6 条3第8項)の通称。要保護児童と呼ばれる血縁のない子どもたちを自治体から預かって養育する制度・組織で2009年に法定化された。
多人数の里子を養育する里親の著者夫婦は、福岡県の第1号として2010年にファミリーホームに移行し、「吉田ホーム」として血縁のない子どもたちと生活している。本書は著者が、子どもたちに出会い、里親となり、子どもたちを養育して実親のもとに返し、あるいは社会に巣立たせてきた経験を「里親日記」のように語った体験・実話集。1話1話が、子どもとその実の親、また学校・施設や地域社会と格闘する「里親」の記録となっていて、読む者は、嘆息・同意・落胆・称賛・苦笑を禁じ得ず、しかし最後には希望と勇気を与えられる稀有な「人生の書」。
里子事業の歴史的研究
発行年月:2011年7月(大空社刊)
少子・高齢社会で変容をとげる日本の「家族」の姿―その中で〈里子=里親〉という関係は、今後見過ごせない重要なあり方になっている。里親「当事者」としての豊富な経験をもとに、現代日本の〈里子=里親〉活動を実証的に捉えた稀有な業績。
官庁資料のみに頼りがちな従来の研究を一新/里親会などの「当事者・経験者」からの直接取材を駆使した独自の資料蒐集と豊富な統計図表/戦後日本の「里子・里親事業」の歴史と実態が明らかになり、初めて現代日本社会の本質が見えてくる。
キーワード:里子、里親、実親、非血縁、養子縁組、家族、子どもの権利、児童相談、児童虐待、障害児、制度、福祉…