シリーズ福祉に生きる60 奥田三郎
シリーズ福祉に生きる(企画編集:津曲裕次・一番ヶ瀬康子)
発行年月:2011年5月(大空社刊)
価格:2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN:978-4-283-00593-8
体裁:B6判・308頁・並製・カバー装
(おくだ・さぶろう 1903・明治36~1983・昭和58年) 精神障害者医療と精神薄弱者福祉の実践現場における臨床経験から「治療教育的人間学」を体系化し、多くの人材を育て、北海道の「特殊教育の祖」と称される。稀にみる透徹した吟味と綿密な実証で「人間理解とその支援への実践的探究」に捧げ、医療と教育と福祉の統合を求めたその生涯。
北海道の特殊教育の成立と障害児・者の教育と福祉、医療問題の進展に尽くし、精神障害の治療水準の質的向上にも尽力した。
(目次より)
第一章 生いたち――旭川時代
1 家族関係
2 旭川の少年期
3 麗しかりし その夢よ
第二章 人間理解を求めて――在京学生時代
1 人間理解としての哲学から心理学へ、そして精神医学へ
2 留岡清男、児玉昌、城戸幡太郎、石井亮一との出会い
第三章 医療と教育と福祉の実践――松澤病院・小金井学園・瀧乃川学園時代
1 松澤病院における奥田三郎
2 小金井治療教育所/小金井学園における奥田三郎
3 瀧乃川学園と奥田三郎
第四章 転機に立つ――遠軽時代
1 戦前と戦後のはざまで
2 奥田三郎と北海道家庭学校
3 遠軽保健所長と地域保健医療業務
第五章 新天地で――北海道大学時代
1 北大教育学部特殊教育講座の創設
2 保育実験施設「北大幼児園」の開設と経営
3 特殊教育の祖
4 結婚と闘病生活
第六章 病院と福祉施設経営――啓生会・清丘園・太陽の園時代
第七章 社会福祉事業の指導――社会福祉審議会などの時代
まとめに代えて――コスモスのたね:医療と教育と福祉の統合を求めて
年譜
参考・引用文献目録
【著者紹介】
(いちさわ・ゆたか)福島県生まれ。福島大学、東京教育大学、北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程に学ぶ。教育学博士。北海道公立学校教員・校長、北海道立特殊教育センター所長、北海道教育大学教育学部非常勤講師、浅井学園大学大学院人間福祉学研究科教授を経て現在、星槎大学客員教授。〔本書関連の論著〕「北海道の知的障害児教育実践史研究序説―その源流:奥田三郎と小金井治療教育所(小金井学園)」(北海道大学大学院教育学研究科紀要第83号 2001年)、「北海道の知的障がい児教育・福祉研究 奥田三郎論―戦前期における「治療教育的人間学」論の形成過程」(北海道社会福祉史研究第7号 2001年)、『北海道の歴史と福祉―北海道の開拓と福祉のあゆみ』(北海道社会福祉史研究会 2009年)、『戦後発達障害児教育実践史』(明石書店 2010年)。
【編者紹介】
(つまがり・ゆうじ)長崎純心大学大学院教授、高知女子大学名誉教授、筑波大学名誉教授。専攻は知的障害者施設史。
(いちばんがせ・やすこ)日本女子大学名誉教授。専攻は高齢者・児童・障害者福祉等、社会福祉全般。
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