ことば・文学・芸術
八五歳からの日記 コロナ巣ごもりの記
発行年月:2024年4月
2019(令和元)年6月「八五歳からの日記」として書き始められたが、新型コロナ感染症パンデミックの襲来。「巣ごもり」の日々を過ごすなか、日記の矛先は日本の政治・社会問題を見つめ直す方向に様変わりした。「後期高齢者」の苦言に満ちたエッセイ集。
ホイットマンに嚮(む)き合う ホイットマン論攷集
発行年月:2024年3月
19世紀アメリカを代表し世界中に大きな影響を与えた『草の葉』の詩人ウォルト・ホイットマン(1819-92)。その最難解な詩句と本質を、ボルヘス、小林秀雄、カフカ、中島敦、ベルグソン、ラッセル、ポオ、ボードレール、メルヴィル、山村暮鳥らの作品・思考を媒介に縦横にかつ深く読み解き、持論「文学とは芸術であり感動、楽しみを与えるもの」を実践する。同時にそもそも文学「研究」とは何かを根本から問う独創的論集。久々に刊行なるホイットマン研究の単著は、詩・文学・芸術作品を愛し、思い、考える者に感動を与える。
アジア学叢書 第49回配本 「言語2(マレー語)編」全5巻(343~347巻)
発行年月:2021年4月
言語には歴史が刻印されている。イギリス領、オランダ領、そして日本領土…しかし、人々は変らず“マレー語”で生きていた。戦前期日本の多量で分厚いマレー語辞書文法書群から、現地での永年にわたる生活・事業・経験・教授研究に裏打ちされ、それまでの欧米研究を追随するだけでなく 、“生きた”ことば・文化を記録した精華。
アジア学叢書 第47回配本 「言語(タイ語)編」全4巻(334~337巻)
発行年月:2020年4月
「言語」研究は人間・文化・風俗・歴史・思想を究明する第一歩をなす。地域の言語を媒介に日本はいかにアジアと相互交流したのか、遺すべき史料は豊富である。アジアの諸言語を取り上げる第一弾「タイ語」編。日本語と異質な文字・音・文法の語学的基本から歴史・文化の背景・知識までを幅広く探究。言語学・日本語・比較文化・教育から「タイ」を研究する際に必読!
詩集 内場幻想(ないば げんそう)
発行年月:2019年7月
香川〈内場〉(ないば)の生んだ孤高の詩人。半世紀を超える作品から編んだ、80歳にしてなす処女詩集。
〈内場〉=学童疎開で育った香川県のダムの底に沈んだ故郷・香川郡安原上西村字内場(現・高松市塩江町上西乙)。
漱石を聴く コミュニケーションの視点から
発行年月:2019年3月
夏目漱石の小説作品をコミュニケーションの観点から分析した書。
漱石の「F+f」理論に基づくコミュニケーションが、初期には笑いやユーモアの表現、後期には人間対立や人間不信など近代人の懊悩の表現に用いられたことを明らかにする。
漱石の東京訛り、うそや翻弄の会話、演説なども考察する。
「翻訳詩」事典 フランス編
発行年月:2018年7月
“詩の翻訳”は翻訳の可能性を追求する本道
明治以降の「翻訳詩」の深奥で馥郁たる文学世界を、厖大な原典引用(作品・試論と翻訳者・原作者)で鳥瞰し、見せる、真にユニークな“初の”事典。
詩を詩歌を読む、日本語をより深く味わうとき、つねに携えたい“新”文学事典。
近代日本の詩人・作家・批評家にとって、“詩とは何か”ということは“詩の翻訳とは何か”に等しかった。しかし…
「翻訳詩の地位は、その歴史的役割の大きさに比して、あまりに低い」(刊行にあたって より)
文明開化の歌人たち 『開化新題歌集』を読む
発行年月:2017年12月
『開化新題歌集』(1-3編)は明治10年代出版の出題歌集(大久保忠保編)。
そこからは明治初期、激変期日本人の驚き、衝撃、哀歓、興味、感動が、情感豊かに伝わってくる。
押し寄せる西洋の新奇事物、歴史の波涛に揺られながら、歌人たちは何を感じ歌ったのか。
現代を生き、詠む歌人が、彼らの生涯と時代を丹念に追い、作品と時代の心を味読する。
続 臥酔〔がすい〕
発行年月:2017年11月
日本語研究に従事してきた学者が、歴史・自然・ことばについて、旅を日常の体験を、取材し、追憶し、思うこと、言わずにいられないことを、ときに批評し書きとめる。戦後70年、中国、モンゴル、北海道、善光寺、野鳥、日本語の宇宙観…。写真全点カラー。