文明開化の歌人たち 『開化新題歌集』を読む

著者:青田 伸夫

発行年月:2017年12月

価格:1,760円(本体1,600円+税10%)

ISBN:978-4-908926-19-8

体裁:四六判・228頁・並製・カバー装

特記:第16回(平成30年度)日本歌人クラブ評論賞受賞/ 日経・北海道・神奈川・南日本・図書各新聞に紹介記事掲載!

文明開化の歌人たち 『開化新題歌集』を読む

『開化新題歌集』(1-3編)は明治10年代出版の出題歌集(大久保忠保編)。
そこからは明治初期、激変期日本人の驚き、衝撃、哀歓、興味、感動が、情感豊かに伝わってくる。
押し寄せる西洋の新奇事物、歴史の波涛に揺られながら、歌人たちは何を感じ歌ったのか。
現代を生き、詠む歌人が、彼らの生涯と時代を丹念に追い、作品と時代の心を味読する。

「『開化新題歌集』は、古い歌集であるが、ここには開化の文物が当時の歌人たちに競って生き生きと歌われ、近代日本の開けゆく姿を興味ぶかく辿ることができる。収録された歌は三編合計で一四九一首に上る。明治史に関心の有る無しにかかわらず、この歌集を一読したいと思う人は世に少なくないはずである。(…)
 ふとした機会に私はこの書に強く惹かれ、是非とも全巻を読みたいと切望するようになった。結局、後の二編は自力で読むほかないと知り、鈍牛の歩みさながらに執念と根気をもってようやく読み終えたのである。だが、全編通読ができるようになると、今度は歌集の成り立ちや主な作者の来歴なども知りたくなり、さらに歌集の成立事情や特殊な歌題の意味も知りたいと願うようになり、その結果、諸書を調べることになった。その果てには歌集の解説を書く気になり各編の注目作を選び出して鋭意執筆したのが本書である。」(はじめに より)

(内容)
1 『開化新題歌集』とは
2 『開化新題歌集』(全三編)を読む 付・原本全収録歌題一覧
3 収録歌人の人と歌をめぐって(出詠者の国別分布状況/官位のある出詠歌人/『明治現存三十六歌撰』の出詠状況/三条西季知の人と歌/松平慶永(春岳)の人と歌/『開化新題歌集』主要歌人六十三人紹介) 付・歌題索引

*歌題207・歌431を取り上げる。

(歌題より)陰陽歴 瓦斯灯 活版 汽車 軽気球 蝙蝠傘 氷売 士族商法 自転車 照影(写真) 新聞紙 精養軒 西洋料理 大陽暦 断髪 徴兵 鉄道馬車 電気灯 電信機 電話器 時計 日曜日 廃刀 博覧会 馬車 麦酒 靖国神社 郵便 洋楽 幼稚園

【著者紹介】歌人、現代歌人協会会員。

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