江戸時代庶民文庫 62巻 舎密局必携 前篇ほか
第2期第1回(全5巻・61~65巻)配本所収
発行年月:2018年6月
価格:21,450円(本体19,500円+税10%)
ISBN:978-4-86688-062-4
体裁:A5判・450頁・上製・クロス装
【ジャンル】書名(主な作者/刊行年など)
【科学(化学・物理・理学)】
○舎密局必携 前篇(上野彦馬/文久2年)
化学実験を効率的に行うために、西洋の諸文献に基づき主要元素の「稟性・親和力・異重力・効用、其他各材ノ成分・配合・分量等」を抄訳して図解を施した化学入門書。「舎密」は蘭語chemie の訳語(化学の意)。当時最先端の科学史の一資料。
○硝石製造辨・作焔硝製造方(佐藤信淵/嘉永7年)
火薬の原料・硝石製造法の技術書。住居の床下から掘り起こした土から硝酸カリウムを析出して硝石を製造する「古土法」と、藁・草・木の葉に石灰や糞尿をかき混ぜた土を硝石小屋に積み上げ、定期的に糞尿をかけて四、五年経過した後に硝酸カリウムを抽出する「硝石丘法」の二つを多くの図解を交えて解説。
○気海観瀾(青地林宗/文政10年)
日本で初めて刊行された本格的な物理学・気象学書。著者が翻訳した蘭書『格物綜凡』(J.Buys,Natuurkundig Scoolboek(物理学教科書)』(1798)から「気性」関連を抜粋・編集。体性、引力、気重、窒気、燃気、光、色、音、風、越列吉的爾(エレキテル)質、気化、虹、暈、潮汐など全40項目。
○慈石論(石井磯岳/文政10年)
中国の文献等によりながら磁石に関する知見や故事をまとめ、その起原を考察した、磁石に関する本邦最初の文献。鉄と相性が良い磁石が太陽が盛んな南方を向くという原理を応用した方位磁針等。
解題者紹介: 法政大学講師、往来物研究家、往来物倶楽部代表
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