アジア学叢書 349巻 インドネシアン 蘭印の実体
第50回配本「アジア巡り編」全6巻(348~353巻)所収
発行年月:2021年12月
価格:20,350円(本体18,500円+税10%)
ISBN:978-4-908926-94-5
体裁:A5判・370頁・上製・クロス装
原本:岡倉書房、1941・昭和16 年刊。
写真17点収載。「邦人は蘭印の土人というが、土人という言葉が、もし「土地の人」の意であるなら、吾々日本人も、日本の土人と呼ぶべきであろう。しかも天下誰一人、吾人を日本の土人と呼ぶものはない。けだし土人という言葉は、未開野蛮人の意に於て使われて居るからである。この一事を以てするもいかに邦人が民族に関する知識なく、民族研究の要が、いかに尊いものであるかを知らぬ証左であろう。」…日本人と戦争とアジア・民族と、一色で塗りつぶせる「歴史」はないことを思わせる貴重な民間人の研究。明治39 年(1906)東印度に渡りインドネシア人の生活圏内に入り23 年間、直接触れた経験をもとに、「同胞日本人」に向け、もっと知れと啓発を促す民族研究の成果。
(目次より)①馬来多島海(インドネシアとは東印度のこと)②民族(ジャワ3種族、外領各地種族)③言語(馬来語と多島海史、種族語)④信仰(万物と精霊、精魂の名称と夢、精霊界の方位と精霊旅行、生者と死者の精魂、神様の色)⑤歴史(米と黄金の国、ヒンヅー人の渡来、香料と地中海、セイロン島・耶婆提・広東、支那の扇と法顕、宋・唐・元、モジョパイット王国、政治体系、古代暦と農事、イスラムと政権争奪、群雄割拠と欧洲人の侵入)⑥宗教(印度宗教、仏教とジャワ、仏教は貴族宗教、シヴ神崇拝、誤解誹謗されたイスラム教)⑦古代遺物(ボロブヅル大寺院)⑧劇と音楽(祖先崇拝、ワヤン劇、ワヤンは全人類の影、舞台と人形の配置、仮面劇、道化面、楽器)⑨文学(古代、ラーマヤナ物語、創世記、神牛問答、米に関する信仰と神話、モハメダンジャワ文学、年代史)⑩農事と祭儀(甘蔗、吉凶暦ポンチョ・スド、スラマタン)⑪民族運動史(民族自決の声、サリカット・イスラム、社会主義とイスラム聯盟、共産思想、タン・マラカと比律賓、復古思想、モハマヂア)⑫大同団結運動小史(東印度民族政治団体聯合会、インドネシア国民会議)⑬人民参議会(総督の諮問機関、選挙権)⑭青年運動(青年ジャワ、青年インドネシア、ボーイスカウト、蹴球聯盟)⑮婦人運動(先覚者カルチニ嬢、思想界、婦人団体の色々)⑯教育(教育ある奴隷、庶民教育、教育費、思想的自覚と日本留学)
ご注文・お問い合わせ