第1期
第4巻 ストリンドベリ集
2004年6月刊行
ストリンドベリは、メーテルリンクと同じく、その文学作品の中でさまざまな問題を提起し、
問題棚上げされたまま歴史のかなたに忘れ去られようとしている作家である。
イプセンに対して批判的な作家活動をしたために、日本におけるイプセン現象による被害も受けた。
山本有三、武者小路実篤、芥川龍之介、山本周五郎という作家に直接的な影響の痕跡があるとすれば、
女性憎悪劇を書き、化学実験に没頭し、オカルト研究にも手を染めたこの作家の根源に、
その表層におおわれた人間理解を発見することが可能であろう。
そして、イプセンと共にリアリズム演劇を創出していった何かが、
大正期の日本人の明治社会読み替えの力を賦与したに違いない。
【収録作品】
年 |
タイトル |
訳者 |
掲載誌 |
頁数 |
大正1年9月 |
死の前〔戯曲〕 |
加茂清(成瀬無極) |
三田文学 |
31 |
大正1年10月 |
罪人 |
薄田泣菫 |
三田文学 |
22 |
大正2年1月 |
老爺 |
薄田泣菫 |
早稲田文学 |
10 |
大正2年1月 |
白鳥姫〔戯曲〕 |
矢口達 |
聖杯 |
63 |
大正2年2月 |
罪人 |
仲田勝之助 |
ザムボア(朱欒) |
22 |
大正2年2月 |
秋 |
仲田勝之助 |
早稲田文学 |
10 |
大正2年3月 |
白鳥姫〔戯曲〕 |
萱野二十一(郡虎彦) |
スバル |
82 |
大正2年6月 |
『女学生』〔梗概〕 |
大杉栄 |
近代思想 |
3 |
大正2年7月 |
報償 |
萬造寺斉 |
スバル |
17 |
大正2年8月 |
地獄の序曲〔戯曲〕 |
秋元雨村 |
帝国文学 |
8 |
大正2年9月 |
決闘 |
萬造寺斉 |
スバル |
28 |
大正2年10月 |
太陽の方へ |
萬造寺斉 |
スバル |
9 |
大正2年11月 |
綱島梁川を懐ふ |
金子筑水 |
新人 |
8 |
大正2年12月 |
石人 |
竹内逸 |
仮面 |
12 |
大正3年2月 |
時間と年齢 |
吹田蘆風 |
塔 |
6 |
大正3年2月 |
稼ぎ人 |
萬造寺斉 |
三田文学 |
16 |
大正3年3月 |
史影1 |
千葉掬香 |
六合雑誌 |
5 |
大正3年4月 |
史影2 |
千葉掬香 |
六合雑誌 |
12 |
大正3年3月 |
紐〔戯曲〕 |
秦豊吉 |
我等 |
54 |
大正3年4月 |
「青書」より1 |
木村荘太 |
創造 |
6 |
大正3年6月 |
「青書」より2 |
木村荘太 |
創造 |
6 |
大正3年6月 |
母の愛〔戯曲〕 |
中川龍三 |
新人 |
20 |
大正3年7月 |
火あそび |
楠山正雄 |
早稲田文学 |
39 |
大正3年7月 |
秋 |
馬場睦夫 |
帝国文学 |
16 |
大正3年8月 |
別離 |
萬造寺斉 |
我等 |
11 |
大正3年8月 |
奇蹟 |
矢口達 |
仮面 |
8 |
大正3年9月 |
かたみの薔薇 |
森脇白夜 |
新人 |
7 |
大正3年10月 |
Half A Sheet of Foolscape |
森脇白夜 |
新人 |
3 |
大正3年11月 |
海原の岸辺にて1 |
小泉鉄 |
白樺 |
21 |
大正3年12月 |
海原の岸辺にて2 |
小泉鉄 |
白樺 |
11 |
大正4年1月 |
海原の岸辺にて3 |
小泉鉄 |
白樺 |
6 |
大正4年2月 |
海原の岸辺にて4 |
小泉鉄 |
白樺 |
11 |
大正4年2月 |
歌劇役者の運命 |
森脇白夜 |
新人 |
8 |
大正4年3月 |
不自然な淘汰 |
三並重三 |
創造 |
9 |
大正4年7月 |
舞台協会所演の『父』〔梗概〕 |
若月紫蘭 |
帝国文学 |
23 |
大正4年9月 |
新らしき試み |
榎本安三郎 |
科学と文芸 |
3 |
大正4年10月 |
スタルコッド1 |
小泉鉄 |
白樺 |
34 |
大正4年11月 |
スタルコッド2 |
小泉鉄 |
白樺 |
20 |
大正5年1月 |
スタルコッド3 |
小泉鉄 |
白樺 |
22 |
大正5年1月 |
コリンナ |
榎本安三郎 |
科学と文芸 |
24 |
大正5年5月 |
熱風〔戯曲〕 |
陶山務 |
科学と文芸 |
6 |
大正5年6月 |
オペラ女優と作曲家 |
陶山務 |
科学と文芸 |
6 |
大正5年6月 |
人形の家 |
馬場睦夫 |
帝国文学 |
32 |
大正5年6月 |
霊界問答 |
伊勢県蔵 |
文章世界 |
4 |
大正5年7月 |
ソクラテスとアゼンス1 |
小泉鉄 |
白樺 |
29 |
大正5年8月 |
ソクラテスとアゼンス2 |
小泉鉄 |
白樺 |
18 |
大正5年9月 |
ソクラテスとアゼンス3 |
小泉鉄 |
白樺 |
32 |
大正5年10月 |
ダマスクスへ1 |
山本有三 |
白樺 |
30 |
大正5年11月 |
ダマスクスへ2 |
山本有三 |
白樺 |
31 |
大正6年2月 |
ダマスクスへ3 |
山本有三 |
白樺 |
30 |
大正6年3月 |
ダマスクスへ4 |
山本有三 |
白樺 |
21 |
大正6年4月 |
ダマスクスへ5 |
山本有三 |
白樺 |
36 |
大正5年10月 |
ラオコオン(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
11 |
大正5年11月 |
史上巡礼 |
小泉鉄 |
白樺 |
18 |
大正5年12月 |
レオントポリス |
小泉鉄 |
白樺 |
6 |
大正6年1月 |
小羊(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
12 |
大正6年2月 |
野獣(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
20 |
大正6年3月 |
アッティラ(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
18 |
大正6年5月 |
僕の中の僕(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
17 |
大正6年5月 |
時間と年齢 |
三浦白水 |
開拓者 |
6 |
大正6年6月 |
イスマエル(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
11 |
大正6年7月 |
アインハンドよりエムスに(ストリンドベルヒの史上巡礼) |
多胡雨絃 |
六合雑誌 |
4 |
大正6年8月 |
レオントポリス(ストリンドベルヒの史上巡礼) |
多胡雨絃 |
六合雑誌 |
3 |
大正6年9月 |
千年の帝国(「史上巡礼」の中) |
小泉鉄 |
白樺 |
23 |
大正6年10月 |
ラオコーン(「史上巡礼」) |
多胡雨絃 |
開拓者 |
9 |
大正7年8月 |
「青い本」から1 |
小泉鉄 |
白樺 |
8 |
大正7年11月 |
「青い本」から2 |
小泉鉄 |
白樺 |
6 |
大正8年3月 |
「青い本」から3 |
小泉鉄 |
白樺 |
6 |
大正9年1月 |
ペリカン |
森鴎外 |
白樺 |
64 |
大正10年4月 |
高き目標 |
永島直昭 |
生長する星の群 |
27 |
大正10年5月 |
葬式 |
永島直昭 |
生長する星の群 |
10 |
大正10年7月 |
ウイツテンベルヒの夜鴬〔戯曲〕1 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
24 |
大正10年8月 |
ウイツテンベルヒの夜鴬〔戯曲〕2 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
23 |
大正10年9月 |
ウイツテンベルヒの夜鴬〔戯曲〕3 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
18 |
大正10年12月 |
ウイツテンベルヒの夜鴬〔戯曲〕4 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
77 |
大正10年9月 |
歓迎せられざる人 |
山村魏 |
白樺 |
32 |
大正10年10月 |
パアウルとペエトル |
山村魏 |
白樺 |
42 |
大正10年11月 |
独逸中尉1 |
山村魏 |
白樺 |
30 |
大正10年12月 |
独逸中尉2 |
山村魏 |
白樺 |
36 |
大正11年1月 |
上品すぎる者 |
山村魏 |
白樺 |
56 |
大正11年1月 |
ベングト君の妻 |
永島直昭 |
生長する星の群 |
26 |
大正11年2月 |
最後の発射 |
山村魏 |
白樺 |
12 |
大正11年5月 |
冠の花嫁〔戯曲〕1 |
吉田泰司 |
白樺 |
51 |
大正11年4月 |
冠の花嫁〔戯曲〕2 |
吉田泰司 |
白樺 |
54 |
大正11年4月 |
醗酵時代1 |
永島直昭 |
生長する星の群 |
25 |
大正11年5月 |
醗酵時代2 |
永島直昭 |
生長する星の群 |
20 |
大正11年10月 |
ゲーテの「ファウスト」〔評論〕 |
舟木重信 |
劇と評論 |
7 |
大正11年11月 |
審判の日 |
山内房吉 |
白樺 |
12 |
大正11年12月 |
白い山 |
山内房吉 |
白樺 |
8 |
大正12年3月 |
道具 |
山内房吉 |
白樺 |
14 |
大正12年5月 |
焼跡 |
番匠谷英一 |
生長する星の群 |
51 |
大正12年6月 |
キリスト〔戯曲〕 |
外村完二 |
生長する星の群 |
47 |
大正12年7月 |
ソクラテス1 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
37 |
大正12年8月 |
ソクラテス2 |
外山楢夫 |
生長する星の群 |
34 |
大正12年12月 |
日記から |
本間久雄 |
新潮 |
6 |
大正13年2月 |
モーゼ1 |
外村完二 |
人間生活 |
25 |
大正13年3月 |
モーゼ2 |
外村完二 |
人間生活 |
17 |
大正14年10月 |
鴎 |
福田久道 |
不二 |
21 |
|