ロシア文化の森へ   日本におけるロシア文化研究の現在
   ―比較文化の総合研究― 


編著 柳富子
体裁:A5版 上製 クロス装 650ページ
定価:本体 7.000円+税



早稲田大学の比較文化研究は坪内逍遥を先駆者として、
吉江孤雁、本間久雄、日夏耿之介、柳田泉、木村毅、谷崎精二、佐藤輝夫らにより培われてきた。
その伝統を受け継ぐ比較文学研究者とその協賛者が研鑚してきた研究成果を
一堂に集約したロシア文化・文学の比較論文集。

【収録内容】
 
 序  柳富子

 第一部 ロシア文化のなかのヨーロッパ   
  ロシアとヨーロッパ―ロシアの「他者」としての西欧     川端香男里
  過渡期のトレヂアコフスキイ―『アルゲニタ』序文から『チレマヒーダ』序文へ    佐々木精治
  ロモノーソフのモザイク画   藤沼貴
  チュルコフの『からかい屋あるいはスラヴのスカースカ』におけるダンテの『神曲』受容について   杉野由紀
  ロマン主義バレエの萌芽を導いた振付家ディドロ   村山久美子
  『スペードの女王』と『マクベス』―構造とイメージからみた対比的考察   森田敦子
  ロシアにおけるシェリング哲学―その受容と展開について   坂庭淳史
  信仰の渇望と自我の凌駕―ツルゲーネフの『ステーノ』とバイロンの『マンフレッド』をめぐって   佐藤清一郎
  ドストエフスキーの文学的出発―『ウジェニー・グランデ』の翻訳について   杉里直人
  シラーとドストエフスキイ―問題設定のために   井桁貞義
  ドストエフスキイの作品における「ドン・キホーテ」   桜井厚二
  コロレンコとアメリカ   高野雅之
  M・ヴルーベリと世紀末芸術―〈西欧〉と〈ロシア〉における女性性の表象をめぐって   上野理恵
  チェーホフとモーパッサン―両作家の類似をめぐって   柳富子
  スクリャービンの《プロメテウス》とオカルティズム   長井淳
  ストラヴィンスキーのジャポニスムの一側面―『日本の叙情歌からの三つの詩』の拍節法について   伊東一郎
  ウェルズからザミャーチンへ―「ネオリアリズム」の誕生   草野慶子
  ベルリンのロシア文学 1921―1923―「ひとつのロシア文学」をもとめて   貝澤哉
  ミハイル・ブルガーコフのモリエール   菊池嘉人
  『オーレリアン』あるいはナボコフ   鈴木正美
  イヴァン ツルゲーネフとエドモン・ド・ゴングール   小山ブリジット


第二部 日本とロシア―交流のなかで   
  1869、1870年のペテルブルグ農・林業大学の思い出 アンドレイ・コレンコ著   沢田和彦訳
  島崎藤村とツルゲーネフ―藤村が聞いた音、見た自然   籾内裕子
  新宿中村屋女主人 相馬黒光―ロシアとの出会い   南平かおり
  ローゼンベルク研究に向けて   小林潔
  『どん底』の太陽―テキストロジーの立場から   中本信幸
  明治期のアンドレーエフ受容史の一側面―『早稲田文学』『趣味』を中心に   塚原孝
  神経衰弱の文学―谷崎潤一郎とロシア文学   源貴志
  日本におけるトルストイの原像   八島雅彦
  宇野浩二・芥川龍之介とゴーゴリの『外套』―「ちっぽけな人間」をめぐって   秦野一宏
  芥川龍之介におけるドストエフスキイ―遺稿『闇中問答』を中心に   国松夏紀
  日本の形式主義に与えたシクロフスキイの影響の一断面―横光利一と中河与一をめぐって   佐藤千登勢
  小説『道標』の人々―1927/28年冬モスクワ(2)   笠間啓治
  鳴海完造のロシア―訪ソ日記から   中村喜和
  日本におけるバフチンの移入について   佐々木寛
  ロシア語訳『源氏物語』―立ち現れる〈声〉たち   田村充正

  早稲田大学比較文化研究室の歴史   
  執筆者のプロフィール   



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